騒音の話

自動車の騒音というのは重大な公害の一つであり解決されるべき問題だということは今も変わらない。
幹線道路脇の住宅では、夏場窓を網戸にしてビールに枝豆でナイター観戦なんてぇのはあり得ない話だし、そういう極端な例でなくとも静かな住宅街にクルマの騒音はやはり迷惑なもの、無いに越したことは無い。
と、思いきや...最近車の騒音が無いことが問題になっている。
ハイブリッドカーや電気自動車の走行音があまりに静か過ぎるので歩行者にとっては危険だという問題だ。
そりゃぁそうだろう。
このことは初代プリウス発売当初から噂話になっていたし、自分もハンドルを握らせてもらってそう感じた。
ただし、絶対数が非常に少ないために社会的な問題とまではならなかった。
ところがそれに買い換える事が地球温暖化防止に貢献する正義の味方でステータスな行為であるかの如くハイブリッドカーが爆発的に普及した今はいわゆる「ひやりはっと」な事例がおかみにも報告されて問題になりつつある。
この件に関しておかみからの指導もありメーカーも低速走行時に歩行者に気付かせるための疑似走行音を出す装置を装備する動きがある。

HV車 人工音義務付けへ(YOMIURI ONLINE-2009/10/16)
http://www.yomiuri.co.jp/atcars/news/20091016-OYT8T00320.htm?from=nwla
引用ここから
「静かすぎて危険」との指摘が出ているハイブリッド車(HV)や電気自動車の走行音について、対策を検討してきた国土交通省の委員会(委員長=鎌田実・東京大教授)は15日、新車にエンジン音に似た人工音を付けることを義務づけるなどの対策案をまとめた。
11月に国民の意見を募る「パブリックコメント」を実施したうえで年内に最終的な方針を決める。ただ、自動車メーカーによると開発には2年ほどかかるといい、実施は先になりそうだ。
引用ここまで

HV車につける音 どうする(YOMIURI ONLINE-2010/1/8)
http://www.yomiuri.co.jp/atcars/news/20100108-OYT8T00273.htm?from=nwla
引用ここから
「静かすぎて危険」との指摘から、人工音の必要性が議論されているハイブリッド車(HV)や電気自動車。
国土交通省は今月中にも、音量などの基準を盛り込んだガイドライン(手引)を打ち出すべく、作業を進めている。これにより人工音付きのHVが走る環境が整うと同省は言うが、課題はまだまだ山積みだ。
引用ここまで

ここで感じた疑問、ひとつは「音出し装置の開発に2年もかかるってホントか?」ということと、もうひとつ「交通の安全にかかわる問題だというのに何故そんなに悠長な事を言っているか?」ということ。
開発に2年かかることがすぐには出来ない理由になっているともとれるがそれだけでは無さそうだ。
これに法律に関する問題も絡みあってさらにややこしいことになっているようだ。
私のシロート考えだが、同じ車格のクルマのエンジン音をサンプルしたものを鳴らす、これならすぐに実現できて歩行者からも経験的に認知度が高い筈だし社会的にも一番抵抗感が無くて良いんじゃないだろうか?
交通安全のためならすぐやるべきだと思うんだけど...
あ、そうだ開発中にスタッフから静か過ぎて危ないんじゃない?という意見が出なかったのだろうかというのもギモンだ。

ところでニッサンが公開しているEVの走行音、これについてどう思われるだろうか?
http://blog.nissan.co.jp/EV/2010/PRODUCT/16.html

確かに歩行者に気付かせるという観点では大いに効果ありだと思う。
でも騒音という観点で聴くとどうだろう?毎日ヒュンヒュンと耳に付く音が静かな住宅街に響き渡る..最低だ。
これだったらエンジン音の方がまだ良いと思うのは私だけ?
まぁいずれいろいろな意見が言われながら磨かれて行くんだろうけど...