手入れの季節

本当は楽器の手入れに季節も何も無く、いつもベストコンディションにしておかなければいけないんだけどつい億劫になりがち。
しかし、湿度や気温の変動が激しい梅雨時はネックが動きやすいこともあってこの季節にはよく調整を行う。
ここ数日にわたって全部ネックの反り、弦高、オクターブを調整しなおしてみた。
普段弾いていなくても比較的良い状態を保っている楽器もあれば、あれれ?という位に弾きづらくなっている楽器もある。
そいつらを一本一本念入りに調整してクリーニングし、試奏しているとそれぞれの個性が改めて確認できてそれもまた楽しい。
デッドスポット(音量が出にくいポジション)もまた様々。
そんな中に、同じメーカーでまったく同じ仕様なのに出音や感触が違うものが有る。
同じ材質、同じサイズ、同じ回路、同じピックアップ、同じ金物...
実に不思議なことだと思う。
こんな板っ切れに針金を張っただけの単純極まりない楽器でどこに違いが出るというのだろう。

掃除をすると、知らぬ間についた傷や凹みに気づく。
これは秋になったら修理するかもしれない。
あまりそういうことは気にしない方なので余程演奏に支障を来たすような外形上の損傷でなければ...面倒臭いんだけど..
でも修復の作業というのも結構奥深くて、打痕なんか丁寧にやればわからない位に修復できるものだ。

調整の終わった楽器を並べて見ていると「今日はどれを持っていこうか」と心弾むし演奏の楽しみ度も倍増する。