次男包丁を買う

近所にディスカウントストアがありました。
チェーン店では無いようで、この辺り唯一のDSとして古くから頑張っていました。
でもさすがに巨大スーパー・ホームセンター等のオープンが影響して閉店。
暫くしてから2日限りの在庫処分大セールがありました。
そこに目を付けた次男、早めに母親の誕生日の贈り物を仕入れようと店内を物色していました。
安い。すごーく安い!!
いろいろと迷った挙げ句包丁を買うことにしました。
家にある包丁は普段研ぎもしないので結構悲惨な状態になっています。
よし、これならば自分の利益にも繋がる...料理の道具だから...そんな風に思考が巡らされたに違いありません。
そしてその激安包丁と包丁研ぎを手にしてレジに並んでいる間、何故か心臓の高鳴りと興奮を覚えます。
ドキドキドキドキします。
何故?
中学生が包丁を買うってのは如何にも不自然ではないかい?
レジでお咎めを受けたらどうする?
何て答えれば信用して貰えるのか....
そうこうしているうちに自分の会計の番になりました。


「●×▼円になります」


...あっさり買えた。
どうやら取り越し苦労だったようです。
ホッと安心して店を出ました。
すると、目の前にはパトカーが赤灯をパカパカしながら、まるで「毎度〜、お待ちしておりました〜」と言わんばかりに出現!!
次男絶句です。
心臓がのどちんこをつついています。
失禁寸前の状態です。
しかし数秒後、そのパトカーは自分を捕縛するためではなく駐車違反車を捕縛するために居たことがわかり、ズボンを濡らさずに済んだのだそうです。

家に帰って、このすばらしくエキサイティングな話を誰かに話したくて仕方なくなりました。
その上、中学生が包丁を隠し持っているのを見つかったらヤバイという気もして来ました。
本当は母親の誕生日まで黙っているつもりだったのに、結局この顛末を話してしまい、品物も渡してしまうことになったのでありました。

めでたしめでたし。