スタジオから

g/g/b/Ds/kb/Ts/Vo/Vo/Voという大所帯のバンドで練習に使っているスタジオから見下ろした風景である。
豊島区某所にあるビルの５Fと６Fがスタジオ、他は韓国エステだの風俗店だのが入っている雑居ビルだ。
エレベーターは一基しか無い。
丁度４Fが風俗営業の店なので、そこの客とよく出くわす。
エレベータで登る時は乗り合わせた事に対してバツが悪そうな固い表情をしている。
まぁそりゃそうでしょう。
下る時に乗り合わせる時はバツの悪さの中にも妙にスッキリした表情が感じられる。
ということは顧客満足度が結構高いんだろうか？？
この通りには実に種々雑多な商店が存在している。
飲食店、薬局、書店、ビジネスホテル、印鑑屋、風俗店、ゲーセン、おもちゃ屋、衣料品店、家具屋、コンビニ、魚屋、理髪店．．．
その余りの整合性の無さと無秩序さには煩悩渦巻く印象も受けるが、何故か危険な感じはしないし、むしろ懐かしささえ感じる。
思えば昔の駅前通りってこんなだったと思う。
スーパーマーケットなんて無かったもんな。
親に手を牽かれながら通った幼稚園の頃の商店街の記憶はカゲロウのように希薄なものになっているけれどもどこか意識の底に転写されているのかもしれない。