鉄道事故

福知山線で発生した列車事故では沢山の人命が失われました。
まずは亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。

鉄道が誕生して以来今日まで、その歴史は安全対策の歴史と言っても良い。
近年日本での大きな鉄道事故を挙げてみると...

八高線・列車転覆事故」
昭和22年2月25日午前7時50分頃
国鉄(現JR)
八王子発高崎行きの列車の連結器がはずれて後部4両が脱線し築堤から転落
機関手(当時23歳)はそのまま気付かずに高麗川駅に到着、駅員の指摘で事故を知った
死者163人
負傷者249人
現場はR250の急カーブかつ20‰の下り急勾配の危険箇所。
戦後間もなくの保線不行き届きや車両の老朽化、満員の乗客による重量増、運転手の経験不足から通過速度超過となった


桜木町事件」
昭和26年4月24日午後1時45分頃
国鉄(現JR)
架線がパンタグラフにからまったことが原因で出火、電車が炎上
死者106人
負傷者92人
事故直前の工事にミスがあり、架線が垂れ下がったが連絡不行き届きで事故が発生
老朽化し火災対策の無い車両構造が被害を大きくした
非常ドアコック位置の明示、隣接車両へのドア設置が無かった事も指摘された


国鉄三河島事故
昭和37年5月3日午後9時40分頃
国鉄(現JR)
常磐線三河島駅南千住駅
貨物専用線を走っていた下り列車が赤信号を誤認して脱線し、そこへ三河島駅を1分遅れで発車した下り電車が衝突して上り線路内に脱線
更に南千住駅を発車した上野行き上り電車が脱線した下り電車に衝突脱線
死者160人
重軽傷者325人
最初に脱線した列車の機関士が赤信号を見落としたことが直接の原因
しかし、その後の衝突までに時間があり、未然に防ぐことが出来たとの指摘があった
当時の国鉄常磐線は過密ダイヤであり、安全に関する保安規定のあいまいさも指摘された
この事件を契機として保安規定の見直し・徹底とATS導入が行われた


国鉄鶴見事故
昭和38年11月9日午後9時40分頃
国鉄(現JR)
東海道線鶴見駅新子安駅
東海道線の下り貨物列車が脱線転覆した現場へ上りの横須賀線の電車が貨物列車に衝突脱線、さらに下りの横須賀線の電車が衝突、3重衝突となった。
死者161人
重軽傷者119人
貨物列車の脱線転覆は車両の老朽や積載状況、線路状況、さらに過密ダイヤなどが複雑に絡み合った「競合脱線」が原因
この後国鉄は、競合脱線の謎を解明するため北海道で競合脱線のメカニズムを解明すべく数々の実地実験を行い、保線、車両、運用など面から事故防止対策を行った。


「青山トンネル事故」
昭和46年10月25日午後4時頃
近畿日本鉄道
総谷トンネル西口で上下特急同士が正面衝突
死者25名
負傷者255名
ATS装置の故障により、青山トンネル内で複数の列車が緊急停車。事故原因となった列車も停止していたが運転手や関係者のミスが重なり暴走、総谷トンネルに突っ込み衝突した。

信楽鉄道衝突事故」
平成3年5月14日午前10時30分頃
信楽高原鉄道
滋賀県信楽町黄瀬の貴生川−紫香楽宮跡間で信楽高原鉄道の列車とJR西日本の列車が正面衝突
死者42人
負傷者614人
信楽駅の信号が故障しATSも働いたため信号を手動に切り替えて信楽鉄道の普通列車を発車させた後に単線区間に進入し対向してくるJRの快速電車と正面衝突した


営団地下鉄・中目黒事故」
平成12年3月8日午前9時1分頃
営団地下鉄(現、東京メトロ
日比谷線中目黒駅から北千住寄り150メートル地点で上下列車が側面衝突
死者4人
負傷者64人
半径160メートル、勾配35/1000の緩和曲線部分でフランジがレールを乗り越えて脱線。
十分に脱線の予見される場所であるが、脱線防止の補助レールが設置されていなかった。

この他にも鉄道事故は起きている。
しかし、こうやって見てみると、今までの事故の教訓が生かされているのか、背筋が寒くなる思いも有る。
色々と考える事はあるが、今はまだ何も言えない。
ただ今回の報道のあり方については非常に腹立たしく思っている。