原発への疑問

備忘録として原発事故についての疑問を書き留めておく。
放射線放射能
政府は避難範囲として当初福島第一原発を中心に3kmと定め、後にこれは10キロ、20キロと拡大、更に屋内退避範囲として30kmという。
この根拠は何か?
放射能発生源からの放射線量は距離の二乗に反比例するというが、それは放射能物質が原発に留まっているとすればの話。
放射性物質放射能を発生する塵が風に乗って飛散することを考えると距離に意味が有るのだろうか?
実際原発から北西の方角にある飯館村役場や福島市内では県内の他の地域と比べて2桁違う放射線量を記録している。
このことから避難範囲はその時々の風向や風速を考慮して決めるべきではないのか?
原子力保安院
どうやらこの団体は原子力施設を監視する役を担っているらしく、原子炉の安全を監督する立場にあるらしい。
ところが現場からは早々に退避して..つまり監督する立場にありながら逃げてしまっている。
彼らは上記「放射線放射能」の事実を知っているからこそ逃げたのではないか?
無責任と非難すべきかどうかは別問題として、非難範囲を単純に原発からの距離で決めることの矛盾の裏づけではないか?
・水に漬かっていればOK?
使用済み燃料プールに放水し、燃料を水没させることに躍起になっているがこれが根本的な対応?
そもそも冷却水というのは燃料棒を冷やすための冷媒なのであって、カマとカマの外を循環させ、外部で冷却したものをまたカマに戻すという仕組みの筈。
であれば、いくら水没させたところでそれは加熱されて蒸発し、根本的な解決には至らないと思う。
循環させて冷却を維持してこそ意味があるんじゃないのか?
そうであれば、今の対策だけではいずれ最悪の事態に至るような気がする。
・未曾有なの?
原発がこういう事故を「絶対に」起こしてはならないのは言うまでも無い。
しかし、早い段階から事故の原因を「想定外の震災」と言っていたのが大いなる疑問。
マグニチュード9.0は今まで起こったことの無い地震ではない。
沿岸部にあるのだからそれに伴う津波も当然想定されて然るべき。
ところが簡単に波にさらわれそうな波打ち際に重要な冷却装置の燃料タンクが有る。
原発を取り囲む堤防も取り立てて他より高く頑強なものには見えない。
高台の安全な場所にバックアップの予備電源があって然るべきと思うのだが...
しかも福島県の議員が津波対策を強化せよとの申し入れをしているのに拒否して来たというその意見書をWeb上に見つけた。
被災すれば重篤な事故となるのは解っているはずなのに実態はかなりズサンに見える。
・二転三転
当初は安全に停止したから大丈夫と言い、その後爆発というショッキングな映像が、更に連鎖的に他の原子炉に...しかも休止中の炉にまで大問題が発生。
東電なり保安員なり役所なり...そういう重大な責任を担っている筈の関係各位が事故内容をきちんと把握できているようには思えない。
基本中の基本であるはずの報連相が全くなっちゃいないように見えるのは大きな不安材料だ。
・避難80キロ
日本のお上は30キロというが、海外政府は80キロと言っている。
これも不信の材料だ。
・対応の遅さ、歯がゆさ
東北電力の回線から電気を供給する仮設を始めたのが1週間経ってから。
事の重大さを考えると事故当初から同時並行で進めるのが当然と思うのだが。
そういった諸々に危機感の薄さを感じざるをえない。

ここに書いたことはシロート考えに過ぎないのかもしれない。
でも「そうじゃないんだ、これこれこうだから大丈夫なんだ」って誰も言ってはくれない。
ホントウに大丈夫なのか?
不安は払拭されない。