ALWAYS続・三丁目の夕日

この映画は第一作が気に入っていたので続作をとても楽しみにしていた。
全作同様、時代は昭和30年代東京タワー近くの下町での人情噺が題材なのだがこれがこの時代を体験した者にとってはとても懐かしく温かく心を癒やされるのである。
だからきっと同世代を知らない今の45歳以下では時代風景に対する感じ方が全く違うのだと思うが、基本的に人情が涙を誘う気持ちは人の本質として同じだろう。
ストーリーには「正直に生きること」「良心をもって生きること」が何らかの形で自分に返ってくるという気持ちよさが有る。
それは決して経済的な見返りということでは無い。
今の日本人はそれを忘れてしまっていて、そこから様々な問題が噴出し、日本の社会に暗雲を誘っているのだと思う。

そして、今の時代には有って、この時代にはまだ無いものが沢山有る。
自動車やテレビはお金持ちしか持てなかったし、コンビニやインターネットだって無いし、大阪へ行くのに5時間もかかったし、とにかく今と比較するととても不便に見えるだろう。
逆にその頃当たり前に有って今は失ってしまったものもまた、沢山有る。
映画のスクリーンにはそういった失ってしまったもので溢れていて、「未来のあなたたちは本当に幸せなの?」と問いかけているようにも思える。
色々なことを様々に考えさせられる映画だが、結局は心を綺麗に洗い流されたような感動がある。

ただし、素直に観ることが出来た人限定で。