くりそつ行方不明になる

老人看護のため田舎へ一人で旅立ったくりそつであるが、その後様々なドラマを引き起こす。
そもそも計画性というものに縁遠いくりそつは電車の時刻や経路等を全く調べずに旅立った。
3時頃出たら最速の経路で19:30着。
そのためにはくりそつが経験している経路と違う経路を使わねばならない。
事前調査をしていればそれも解るんだが....
その点アニキの方は行き届いていて万端の準備をして出かける。
で、とっても気軽な一人旅をはじめた奴は電車の中でPHSをいじりまくり、写真を撮ったり友だちにメールを送ったりしていてあっという間にバッテリーが切れたに違いない。
とりあえず、いつもの経路をまったりマイペースで旅して気がついたら22:00になってしまった。
仕方がないので病院へ出かけるのを諦めて実家へ向かう。
実家の鍵は持って来たので明日朝病院へ行けばいい。
長旅ご苦労様でした....ということになる筈だったのが....か、カギが回らない。
ねえさん、たいへんです、カギが回りません。
ちゃんと挿さるのですが、回りません。(実は立て付けが悪くて回りがシブい)
暖かい布団を夢見てここまで来たというのに...絶望です。
しかし、こんな時は頭を使わなければいけません。
とりあえず腹も減ったし寒いし、コンビニへ暖を取りに出かけることにします。
おお、開いてて良かった...セブンイレブンじゃなくてサークルKだけど。
さて、今夜の身の振り方を考えねばなりません。
幸い洗濯機の置いてある場所は壁で囲まれていて屋根もあるから雨露は凌げます。
そこでゆっくり考え...ま、いいか、ここで夜明かししちゃお。
コンセントも有るから充電出来るし、よし、決定!!

こんな経緯で、くりそつは家に連絡もせずに洗濯小屋で一夜を明かしたのでした。
さて、母親としては連絡が全くつかないまま行方不明になった次男の事が心配で心配でなりません。
と、同時にふつふつと怒りが込み上げて来て、誰かに当たり散らさないと気が済みません。

...まぁだいたいこんなような具合で大失敗(本人はそう認識していない)となった旅立ちなのですが、翌朝になって充電された電話で連絡して来たくりそつに向かって母親は意外と普通の応対でした。
きっとここで怒鳴り散らしたらプチッと電源切られてオシマイだと思ったのでしょう。
アニキは冷静です。
「あいつはA型のくせに感覚で行動しようとするからダメなんだよ」
うーん、何となく説得力が有るような無いような...でも普段のくりそつを見ているとその言葉がピッタシ当てはまります。
「じゃぁ感覚で行動していいのは何型なんだ?」
「AB型。天才だから。」
ん〜...やっぱちょっと違うような...
ま、いいか。
とにかくクリソツの歴史にまた一つ面白いストーリーが加わった一日でした。
おしまい。