ラストワルツ

ラスト・ワルツ〈特別編〉 [DVD]
この映画を見たのはいったいいつ頃だっただろう?
まだ高校生だったのか、それとも大学に通い始めた頃だったか。
横浜の映画館で観たのは覚えている。
その映画が格安でショップに並んでいるのを見つけて買ってみた。
冒頭ステージから客席に向けられたカメラには演奏者の目線で見る映像が広がる。
ハモンドが左下がりに斜めにセッティングされているのが強烈な印象として脳裏に焼き付いており、そのシーンが映し出された瞬間に「これだ!」と思った。
客席は熱狂しているが、ステージ上には誰もいない。
その誰も居ないステージにリックダンコが登場すると、「なんだ、まだ居たのか」と吐き捨てる。
その様がなんとも不良である。
「最後にもう一曲だけ演る」
という台詞で映画の観客は、これはアンコールのシーンだったんだと気づく。
映画のオープニングがアンコールのシーンというのが何とも暗示的な演出。
そしてリックダンコのベースリフから始まる演奏を聴いた途端に深く深くステージへと引き込まれていく。
ザ・バンドの演奏って特別派手でハイテクな訳ではないと思う。
でもライブのステージでも抜群の安定感とノリ!!
「バンドってスゲェなぁ...」と改めて関心しつつ、いつしかどっぷりと狭い画面の中に入り込んでしまっていた。