こんな時代

この本は当時の夜行列車の雰囲気に溢れかえっている。
こういう経験をした事のない世代の人がどのように感じるか、とても興味がある。
上野を出る夜行急行列車、その車内で繰り広げられていた風景が詳細に描かれていて、リアルタイムに経験している世代の自分はタイムスリップした気分になった。
窮屈な座席、行き届かない空調、狭くて固い寝台、何を取っても当時の旅は難行苦行だった。
今これに乗れと言われたら...正直なところ、ちょっと遠慮したい。
それでもこの絵本の中には暖かな温もりがあり、懐かしさ、優しさ、そういった心地よさを感じる。
不思議と苦しい思いをしたという嫌な感情は沸かない。

絵本の中では夜行列車は雪国に到着する。
その改札口では老夫婦が孫を迎えに来ている。