三丁目の夕陽

そして、今日は近所のシネコンへ出かけた。
観た映画は「ALWAYS 三丁目の夕陽」で原作は西岸良平の漫画。
ストーリーは別にどうという事は無い。奇想天外とかあっと驚くとか驚きの逆転劇とか、そういった込み入った仕掛けは無い。
ありふれた人情ドラマかもしれないが、それが当たり前に進行して行く。
でも韓国ドラマや昼メロのような臭い感じは全く無く、素直にどんどん惹き込まれて行く。
そのことが、この歳になっていつしか物事をかなりハスに構えた見方をしてしまうようになったヒネクレ者には信じられない位だ。
本当に素直にドラマを受け入れて感動している自分に驚きさえする程。
それはたぶん、映画を通して強く描かれている昭和30年代の風景が自分の心をまだ素直だった頃の自分に引き戻してくれているんだと思う。
どこか煤けたようなその風景はオシャレという言葉には無縁だ。
それでも人の心を優しくしてくれる。
自分は故郷と呼べるような場所は無いんだけど、その風景には強烈な郷愁が有った。
映画のセットを意識させないのはたぶん地面が上手に作られていたからだと思う。
この映画は絶対に映画館で観た方が良い。
映画館でないとあの風景の中には入れないから。