これは箱根登山鉄道の古い電車。

ギアの音を高らかに鳴らしながら昭和32年から箱根の急峻を往来し続けているからもう48歳ということになる。
中空軸撓み接手の平行カルダン駆動..最新型の電車に比べるとえらくシンプルな仕組みで走行音も大きい。
しかし、自分の年齢と近いこともあってとても親近感を感じる。
古くさい内装の中に身を置き、のんびりと山を登る時間は至福のいやしタイムとなる。
特に4つの94kwモーターとギアが発する騒音がいやし効果に絶大な影響を与えているから不思議だ。
おそらくこの場、この電車の中という空間以外でこの音を聴くならば、それは騒音以外の何者でもなく癒しとは逆効果になるだろう。
小田原から強羅までは50分弱の小さな旅。
うつらうつらとしているうちに到着する。